夫婦関係を劇的に改善する3つの処方箋|聖書が教える寛容・礼儀・赦しの実践法

A初稿

夫婦関係の悩みを抱えていませんか。

15年間で500組以上のご夫婦をサポートしてきたカウンセリングの現場から、夫婦関係を劇的に改善する3つの処方箋をお伝えします。

日本人の70%が選ぶ、キリスト教式結婚式で読まれる聖書の言葉から、「寛容」「礼儀」「赦し」という3つのポイントを取り上げ、実践的な方法を解説します。

これらを実践することで、信頼関係を築き、夫婦関係を根本から変えることができます。

1. 愛するということの本質|感情と行為の違い

聖書が示す愛の定義

日本人の実に70%がキリスト教式の結婚式を挙げています。

その結婚式の中でよく読まれる聖書の言葉があります。

第1コリント13章4節から7節には、次のように記されています。

「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。

礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、苛立たず、人がした悪を心に留めず、

不正を喜ばずに、真理を喜びます。

すべてを耐え、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを忍びます。」

この箇所では、愛するということの定義が明確に示されています。

好きという感情と愛するという行為

ここで最も重要なポイントは、愛するということは好きという感情とイコールではないということです。

好きという感情と愛するという具体的な行為は必ずしも同じではありません。

愛とは感情ではなく、具体的な行動として表れるものなのです。

この愛のリストの中から、夫婦関係を劇的に改善する3つの処方箋を取り上げます。

それは「寛容」「礼儀」「赦し」です。

2. 第1の処方箋:寛容(マクロテュモス)|相手を理解し待つ態度

寛容という言葉の本来の意味

第1の処方箋は「寛容」です。

新約聖書は元々ギリシャ語で書かれていますが、この寛容という言葉の原語は「マクロテュモス」という言葉です。

これは2つの言葉から成り立っています。

「マクロ」は「長い」という意味です。

「テュモス」は「怒り」や「感情」という言葉です。

したがって、寛容とは怒りを長く抑えることや、忍耐強く感情を抑えて耐えるという意味になります。

神様の性質を表す寛容

この言葉は、旧約聖書では神様の性質を表す言葉として用いられています。

神様は人間の罪に対して、いきなり裁きを下して滅ぼしてしまうのではありません。

彼らが悔い改めて立ち帰る機会を与え続けるという姿勢を持っておられます。

このような態度こそが、寛容という言葉が表すものなのです。

夫婦関係における寛容の実践

夫婦の関係に当てはめると、寛容とは次のような態度を指します。

相手の欠点や失敗に対して、すぐに批判したり怒りで反応したりしないということです。

相手の行動の背景や事情、そして弱さや罪深さを理解してあげようと努めることです。

相手が変わる可能性を信じて待ち続ける態度ということができます。

具体的な実践例

例えば、ご主人が全然家事を手伝ってくれない、育児に立ってくれないという状況があるとします。

通常であれば「何度言ったら分かるの」と感情的にぶつけてしまいやすいものです。

しかし、寛容な愛の態度は、まず相手の状況を理解しようとします。

奥さんは子育てをしていて自分が大変だと思っているかもしれません。

しかし、ご主人も仕事で大変だったことを考えます。

そして、ご主人はどのように助けたいと思っているけれど、やり方が分からないのだろうと、相手の身になって考えようとするのです。

感情ではなく具体的な伝え方を

感情をぶつけるのではなく、穏やかに、そして具体的にお願いという形で気持ちを伝えます。

ご主人が急に自分の思い通りになってくれるということではありません。

ご主人に分かってもらって、ご主人が助けられるようになるには時間がかかるということを理解した上で、長い目で見てあげることが大切です。

これが寛容という第1の処方箋の実践方法です。

3. 第2の処方箋:礼儀|相手の人格を尊重する

礼儀に反することをしないという意味

第2の処方箋は「礼儀」です。

この礼儀という言葉も元々はギリシャ語ですが、「礼儀に反することをしない」という表現になっています。

では、礼儀に反することとは何でしょうか。

礼儀に反することをするとは、不適切な行動をすること、恥ずべきふるまいをするということです。

したがって、礼儀を守るということは、相手の人格を尊重するということになります。

愛は相手の人格を否定しない

愛するということは、相手を軽んじたり、相手の人格を否定したりしないということです。

聖書は、人間はみんな神様の形に造られていると語ります。

だから一人一人の存在が尊いのです。

その人の罪深さやその人の弱さに関わらず、一人一人が尊い存在なのだと考えるのです。

相手を尊い存在として見る

このように見ると、自分の思い通りになってくれない人、自分を傷つける人という見方ではなくなります。

この人も神様の目には尊い大切な存在なのだという見方になるのです。

結婚生活が長くなると、だんだん相手を当たり前の存在として軽んじてしまうことがあります。

ある意味、甘えてしまうと言ってもいいかもしれません。

しかし、真実の愛は、どんな時でも相手の人格、相手の尊厳を尊重します。

礼儀に反することの具体例

礼儀に反することをしないということで、具体的に避けるべき行動があります。

奥さんや旦那さんがいないところで悪口を言わないということです。

もしくは、貶めるような発言をしないということです。

その場に相手がいても傷つかないような言葉以外は言わないということです。

もう1つは、直接相手に対して「あなたはいつもこうね」とか「あなたは全然何とかしてくれない」みたいな、相手の人格を否定するような言葉を使わないということです。

全否定しないと言ってもいいでしょう。

相手の意見を頭ごなしに否定することをしません。

別の言い方をすれば、相手が話しているところにかぶって自分の思いをぶつけないということになります。

ひどい場合には、挨拶を返さない、無視するといった状況になってしまうこともあります。

自分が傷ついているということを伝えるために、わざとそういうつらい当たり方をすることもあるわけです。

しかし、それは礼儀に反することなのです。

礼儀のポジティブな実践

礼儀というとポジティブな行動の方ですが、基本的に挨拶をするということです。

「おはよう」「お休み」「お帰り」「いってらっしゃい」という言葉を言うということです。

そして「ありがとう」「お疲れ様」という言葉を発言する、感謝を伝えるということです。

意見が食い違ったとしても「そういう考えもあるんだね」「あなたはそういう考えなんだね」と一度受け止めてあげます。

これも礼儀なのです。

そして、人前では相手をなるべく立てるような言葉を用います。

相手がいないところで、相手の良いところを認めるということも大切です。

家の中でも丁寧な言葉遣いを用いるということもあります。

相互尊重の原則

自分が尊敬すると相手も自分を尊敬してくれるということがあります。

したがって、この礼儀を守るというのは2つ目のポイントですが、非常に重要になってきます。

4. 第3の処方箋:赦し|過去を蒸し返さない約束

最も難しく最も重要な処方箋

第3の処方箋は「赦し」です。

聖書には「人がした悪を心に留めず」と書かれていますが、これはある意味、最も難しく最も重要な処方箋ということができるかもしれません。

「心に留める」という言葉の意味

この「心に留める」という言葉は、会計用語で「計算する」「記録する」という言葉です。

「人がした悪」というのは、悪や害、実害や被害といったことを指します。

つまり、相手のやった失敗や罪の行動を帳簿に記録して、通帳に記入して、それを後で請求書として相手に見せるということです。

「こういう風にやったじゃないか」ということを相手に突きつけるということになるわけです。

神様の赦しの約束

神様は私たちの罪を赦し、もう二度と思い出さないと約束されています。

私たちが悔い改めて神様を信頼する時、もっと言えばイエス・キリストを信じて罪赦される時に、もう二度と思い出しはしないと聖書は言っています。

これは、痛みがあっても赦すということです。

神様は私たちに対してその罪を赦して、もうそれを私たちに突きつけることはしない、裁くことはしないということが聖書の重要な約束なのです。

赦すことを選ぶという決断

これは単に水に流すとか忘れるということではありません。

赦すことを選ぶということなのです。

表面的に口に出すのを控えて、実は腹の中でどんどん不満がたまっていくということとは違います。

また、その場だけで赦して、赦したふりをして、また同じようなことがあった時に「この時もこうだったじゃない」「この時もこうだったじゃない」と相手を責めるということも違うわけです。

赦しの実践方法

では、どういうことかと言うと、問題についてしっかり話し合って解決していくということです。

解決した後は、もう二度と蒸し返さない、そういう約束をするということです。

過去の相手の罪を、相手を責めるための道具にしないと言うことができます。

そして、相手がしてくれている今の努力に目を向けていくということになります。

夫婦にとって最も重要な言葉

夫婦にとって最も重要な言葉は何でしょうか。

「愛してる」や「ありがとう」という言葉以上に、「ごめんなさい」という言葉です。

そして「ごめんなさい」と言われたら「いいよ」と赦します。

「いいよ」と言われたら、もう二度としないと決意して変わっていきます。

これができる夫婦は、信頼関係がしっかりと結ばれていきます。

そして、失敗を私たちは必ずしてしまいますので、失敗しても癒しがあり解決があるのだと希望を持つことができるようになるのです。

5. 夫婦関係修復の実践|3つの処方箋を取り入れる方法

3つの処方箋が築く信頼関係

ここまで3つの処方箋を見てきました。

第1の処方箋は「寛容」です。

第2の処方箋は「礼儀」です。

第3の処方箋は「赦し」です。

この3つが夫婦としてできるようになっていくと、信頼関係が築き上げられていきます。

なぜ夫婦関係に悩むのか

今、あなたが夫婦関係に悩んでいるとしたら、これら3つのどれか、そして多くの場合は全てが実践できていなかったということではないでしょうか。

しかし、これを実践することができれば、劇的に夫婦関係は変わっていきます。

15年間、500組以上のご夫婦のカウンセリングを通して、この変化を実際に見てきました。

実践のための次のステップ

ここまでお読みいただいたあなたは、真剣に夫婦関係を修復したい、そしてそのために自分自身も変わりたいと思われているはずです。

今回お伝えした3つのことを実践していただくと同時に、あなた自身が根本的に変わる必要があります。

そのための学びとして、夫婦関係修復の5つのステップという内容があります。

5つのポイントは次の通りです。

1点目は「結婚とは何か」です。

2点目は「ライフヒストリー」、あなたはどんな人かということです。

3点目は「男女の違い」、夫の役割と妻の役割とはどのようなものなのかということです。

4つ目は「心を入れ替える、悔い改める」ということで、人が変わるとはどういうことなのかということです。

5つ目のステップは「気持ちを伝える手紙を書くこと」です。

この5つのステップを学んでいただくことで、根本的にあなたが変わって、ご夫婦の関係を修復するにはどうしたらいいのかを理解することができます。

6. まとめ|信頼関係を築くために

愛は行動である

愛するということは、感情ではなく具体的な行動として表れるものです。

聖書が示す愛の定義から、夫婦関係を劇的に改善する3つの処方箋を学びました。

3つの処方箋の要点

第1の処方箋「寛容」:

相手の欠点や失敗に対してすぐに批判したり怒りで反応したりせず、相手の背景や事情を理解しようと努め、相手が変わる可能性を信じて待ち続ける態度です。

第2の処方箋「礼儀」:

相手の人格を尊重し、相手を軽んじたり否定したりしないということです。

挨拶や感謝の言葉を伝え、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。

第3の処方箋「赦し」:

問題についてしっかり話し合って解決した後は、もう二度と蒸し返さないという約束をすることです。

過去の相手の罪を責めるための道具にせず、今の努力に目を向けていくことが重要です。

実践がもたらす変化

これら3つの処方箋を実践することで、夫婦の信頼関係は確実に築き上げられていきます。

「ごめんなさい」と言い、「いいよ」と赦し、もう二度としないと決意して変わっていく。

このサイクルを繰り返すことができる夫婦は、失敗しても癒しがあり解決があるという希望を持つことができるのです。

根本的な変化を目指して

夫婦関係の修復には、これらの実践と同時に、あなた自身が根本的に変わることが必要です。

結婚の本質を理解し、自分自身を見つめ直し、男女の違いを学び、心を入れ替えて、気持ちを伝えることで、夫婦関係は必ず変わります。

あなたのご夫婦の関係の幸せを心から願っています。

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筆者プロフィール

日向 陽一
日向 陽一ひゅうが よういち
夫婦関係修復カウンセラー。
2010年から500組以上の夫婦の相談、離婚の危機にあるご夫婦のカウンセリングを手がける。聖書を基盤とした本質的な夫婦関係修復法を提供し、多くの夫婦の関係再構築を支援している。