Contents
1.はじめに
夫婦カウンセリング14年の経験から、エペソ書5章が教える理想的な夫婦関係について解説。
キリストと教会の関係から学ぶ、夫婦の絆を深める具体的な方法をお伝えします。
皆様、こんにちは。夫婦関係修復カウンセラーの日向陽一です。
今回は、クリスチャンの夫婦関係について、特にエペソ書から学ぶ重要な真理をお伝えしたいと思います。
私は14年間、夫婦カウンセリングの現場で多くの方々と向き合ってきました。
その中で、今回お話しするエペソ書5章21-33節は、ほぼ毎日のように開く、最も重要な聖書箇所の一つとなっています。
まず、エペソ書の構造について理解を深めましょう。
エペソ書の全体構造
エペソ書は大きく2つの部分に分かれています:
- 前半(1章-3章)
– 使徒パウロが私たちに与えられている天の祝福について語ります - 後半(4章以降)
– その祝福と神様が召してくださった召しにふさわしく、地上でどのように歩むべきかを教えています
特に今回焦点を当てる5章21-33節は、クリスチャンの人間関係、とりわけ夫婦関係について最も詳しく語られている箇所です。
2.キリストを恐れることと従い合うこと
まず、エペソ書5章21節から見ていきましょう。
キリストを恐れて、互いに従い合いなさい
これは、すべてのクリスチャン同士の関係における重要な原則です。
この「従い合う」というのは、ギリシャ語で「ヒポタソ」という言葉が使われています。
この言葉の意味は:
- 自らを相手の下に置く
- 相手の下に並ぶ
- 自発的な服従を意味する
重要なのは、これが強制されるものではなく、自発的なものだということです。
3.妻と夫への個別の教え
妻への教え:従順の真意
妻への教えでは:
妻たちよ。主に従うように、自分の夫に従いなさい。
キリストが教会のかしらであり、ご自分がそのからだの救い主であるように、夫は妻のかしらなのです。
教会がキリストに従うように、妻もすべてにおいて夫に従いなさい。
これについて、しばしば誤解が生じることがあります。
この箇所は:
- 男尊女卑を教えているわけではありません
- 女性が意見を言ってはいけないと教えているわけでもありません
むしろ、これは家庭内の秩序について語っているのです。
妻は:
- 夫を信頼し
- 自分の思いや考えを十分に伝えた後で
- 最終的な決断を夫に委ね
- その決断が一度なされたら喜んで従う
ただし、重要な注意点として:
- 夫からの暴力や虐待など、問題がある場合は、この限りではありません
夫への教え:キリストの愛に倣う
夫への教えは、より多くの言葉が費やされています。
夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自分を献げられたように、あなたがたも妻を愛しなさい。
キリストを恐れて互いに従い合う中で、夫たちは妻を愛することを命じられています。
この愛の特徴は:
- 自らを与える愛
- 駆け引きや取引きをする愛ではない
- 条件付きの愛でもない
- 妻が愛しやすい時だけ愛する愛ではない
- 与え尽くす愛(ギリシャ語:アガペー)
具体的な愛し方
同様に夫たちも、自分の妻を自分のからだのように愛さなければなりません。
私たちが自分の体を養い育てるように:
- 命令されなくても食事をとる
- 休息を取る
- 清潔を保つ
- 病気の時は手当てをする
- 必要な時は医者にかかる
これと同じように、夫は妻をケアするように求められています。
現実の課題
しかし、私たち夫には以下のような課題があります:
- 自らを保とうとする肉の思い
- 自らを与えることの難しさ
- 問題を「あなたの問題であって、私の問題ではない」と切り離そうとする思い
- 自らを捧げるのではなく、相手に捧げてほしいという罪深い思い
克服の道筋
これらを克服するために必要なのは:
- 十字架の愛に対する確信の深まり
- 主が私たちを愛し、養ってくださっていることへの確信
- イエス様の愛に対する確信が成長すること
4.キリストと教会の関係からみる夫婦の奥義
エペソ書5章でパウロは、繰り返し重要な言葉を使っています:
- 「キリスト」:8回
- 「教会」:7回
- 「夫」:6回
- 「妻」:9回
この頻出する言葉の組み合わせが示すように、クリスチャンの夫婦関係は:
- イエス様と教会の関係と同じ
- 私たちの夫婦の関係は切り離されていない
- イエス様との私との関係と切り離されず
- 縦糸と横糸のように結び合っている
世の中の夫婦関係との違い
世の中の夫婦関係は:
- 気が合うかどうか
- 馬が合うかどうか
- 元々の肉の性質が合うかどうかに依存
- それがなくなってしまえば何もない
一方、キリスト者の夫婦関係の土台は:
- キリストを恐れているかどうか
- キリストの愛をリアルなものとして感じているか
- キリストを見上げているか
- 夫、妻それぞれのキリストとの関わり
奥義(ミステリオン)とは
この奥義は偉大です。私は、キリストと教会を指して言っているのです。
この「奥義」(ギリシャ語:ミステリオン)とは:
- 知られていなかったけれど今や明らかにされた真実
- 驚きを持って見出される真実
- キリストの福音を指す
- 罪に死んでいた私たちを救いに来る方について
5.実践と適用
与えられている祝福の確認
キリスト中心の夫婦関係が与えられている祝福を確認しましょう:
私たちに与えられているもの:
- 恵みによる救い
- 新しいいのち
- 教会に加えられる特権
- あらゆる霊的な祝福
このような関係性は:
- 世界中どこを探しても教会の中にしか見出されない
- この地、この場所にしかない
- どこに行ってもそれを見出すことができない特別なもの
自己点検のための問いかけ
妻である姉妹の皆さんへ:
- イエス様を恐れてご主人に従っているでしょうか
- その従順は自発的なものでしょうか
夫である兄弟の皆さんへ:
- イエス様が私を愛してくださった愛で妻を愛しているでしょうか
- 自分の体を大切にするように妻を養い育てているでしょうか
結びと祈り
私たちに必要なこと:
- キリストを恐れること
- イエス様の愛を知ること
- その愛に動かされて互いに従い合い愛し合うこと
不十分でも、イエス様に向かって近づいていく時:
- 私たちの関わりを通して
- それぞれが遣わされている場所で
- キリストと教会の関係が表されていく
日常生活での具体的な実践方法
日々の生活の中で:
- 毎日の祈りの中で夫婦関係を主に委ねる
- 互いの良いところを認め合う習慣をつける
- 困難な時こそキリストの愛を思い起こす
- 赦し合うことを実践する
これらの教えが、あなたの結婚生活に新しい祝福をもたらすことを心から願っています。
ご覧くださってありがとうございました。
[執筆:夫婦関係修復カウンセラー 日向陽一]
筆者プロフィール
-
27歳の時、婚約者との擦れ違いを解決できず結婚目前で婚約解消。
その後、この婚約解消の二の舞を踏まぬよう男女関係や夫婦関係修復の法則を聖書から学ぶように。
2010年、夫婦関係修復カウンセラーとして独立。延べ1,000人以上の夫婦をカウンセリングし離婚危機から救う。
現在は、妻に惚れこむ二児の父。
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