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【執筆者プロフィール】
夫婦関係修復カウンセラー 日向陽一
25年の結婚生活と数多くのクリスチャン夫婦、一般夫婦のカウンセリング経験を持つ。
1. はじめに
私は25年の結婚生活と、数多くのクリスチャン夫婦、また一般の夫婦のカウンセリングを通して、結婚には必ず「春夏秋冬」があることを学んできました。
新婚期の甘い蜜月、その後訪れる試練の季節、そして深い絆で結ばれる安定期、最後に豊かな実りの時期。
この自然な流れを知らないために、多くの夫婦は途中で諦めてしまうのです。
本記事では、聖書の視点とカウンセリングの経験から、神様が設計された夫婦関係の4つのステージについてお話しします。
あなたの結婚生活が今どの季節にいるのか、そしてどこに向かっているのか、共に考えていきましょう。
2. 聖書が示す結婚の意味
聖書には結婚について、次のような重要な教えがあります:
妻を見つける者は幸せを見つけ、主から恵みをいただく(箴言18:22)
同じように、夫たちよ、妻が自分より弱い器であることを理解して妻とともに暮らしなさい。
また、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として尊敬しなさい。
そうすれば、あなたがたの祈りは妨げられません(第1ペテロ3:7)
これらの御言葉から、結婚について以下の重要なポイントが分かります:
- 結婚は「主からの恵み」「いのちの恵み」です。
- 主は私たちの結婚が:
– ご自身の栄光を表すもの
– 私たちの幸せとなることを願っておられます。 - 同時に結婚関係は:
– 多くの困難や課題となりうる
– 結婚関係の中の罪によって「祈りが妨げられる」可能性があります。
3. 信仰者の成長段階ABC
まず、この考え方を提唱したジョン・ニュートンについてお話ししましょう。
1700年代の牧師であり、元奴隷船の船長だった彼は、神様の不思議な恵みで救われた経験から「Amazing Grace」を作詞したことで知られています。
牧師時代に数百の手紙を残し、その中でABCという名前のクリスチャンの成長段階を説明しています。
この成長段階は、マルコの福音書4:28-29の御言葉に基づいています:
地はひとりでに実をならせ、初めに苗、次に穂、次に多くの実が穂にできます。
実が熟すと、すぐに鎌を入れます。収穫の時が来たからです。
信仰者の成長に関する重要なポイントは:
- 全ての人が生まれながら罪の中にある
- 神が引き寄せてくださらなければ誰も救いに至れない
- 1人1人の神の導きは千差万別
- クリスチャン共通のステージがある
各段階の特徴を見ていきましょう:
A段階:苗の中にある恵み
特徴:熱心
- 突然の光によって信仰が始まる
- 神様の言葉への信頼
- イエス・キリストへの信頼
- 礼拝や祈りに熱心
- クリスチャンとの交わりの素晴らしさを実感
課題:未熟さ
- 経験の浅さゆえの行き過ぎ
- 感情のアップダウン
- 他の人に対して批判的な態度を取りやすい
B段階:穂の中にある恵み
特徴:葛藤
- イエス様のうちに安らう確信を得る
- より深刻な試練
- 内なる罪との戦い・格闘が始まる
具体的な経験:
- より深い自分の罪深さを知る
- 誘惑とより激しい葛藤
- 食い改められない部分との格闘
- 霊的な暗闇の時期
- 励ましや慰めを感じられない孤独
- クリスチャン共同体への幻滅
- 自分の弱さを実感
成長のポイント:
- 暗闇の中で神の存在を信じる
- 神の言葉の真実さを経験
- イエス様の真実さを実感
- 神様への信頼が少しずつ成長
C段階:穂の中の実
特徴:黙想(コンテンプレーション)
- より深い霊的な理解
- 信仰が安定
- バランスの取れた判断
- 霊的な事柄についての成熟した判断
3つの主要な特質:
- へりくだり
- 自分を下に置く
- 長年の歩みを振り返って得る真の謙遜
- 自分の腐敗と神様の恵みの深い認識
- 他者への優しさと忍耐
- 神様の意思への従順
- 霊的であること(世俗からの解放)
- 物質的なものからの自由
- 神との交わりを最重視
- 外的な状況に左右されない安定性
- 永遠を見つめる姿勢
- 神の栄光とご意思への結びつき
- 自分中心から解放
- 安定した歩み
- 他者への深い理解
- 神様への純粋な愛と信頼
4. 結婚生活の4つのステージ
この章では、結婚生活における4つの重要なステージについて詳しく説明していきます。
このステージ理論は、以下のような方々に特に参考になるでしょう:
- 夫婦関係で悩みを抱えている方
- より深い愛し合う関係に成長したい方
- 将来が不安な方
- 最後まで寄り添える夫婦関係を築きたい方
このステージ理論から得られるものは:
- 夫婦関係の各ステージの特徴と課題の理解
- 各ステージに応じた関係成長の方法
- 長期的な視点での捉え方
- 互いに支え合う方法
では、各ステージについて詳しく見ていきましょう。
ステージ1:苗の恵み – 芽吹きと喜びの時期
キーワード:新鮮さ、期待、魅力
特徴:
- 新しい関係の始まり
- お互いの違いに魅力を感じる
- 相手を理解しようとする
この季節の感情:
- 将来への期待に満ちている
- 相手の良いところに目が止まる
- 喜びと感謝に溢れている
- 「この人となら絶対に幸せになれる」
状態:
- 何もしなくても一緒にいるだけで幸せ
- そばにいられるだけで嬉しい
カウンセリングでの呼び名:ハネムーン期
重要なポイント:
- この時期はほとんど悩みがない
- ポジティブな環境をしっかり留めておく
- お互いの素晴らしいところを捉えていく時期
- 後の難しい段階で「なぜ結婚したのか」を思い出す財産となる
ステージ2:穂の恵み – 成長と葛藤の時期
キーワード:成長、活動、違い
特徴:
- 関係が深まる一方で日々の生活がルーティン化
- 価値観の違いが表面化し、摩擦が生まれる
- 様々な要因が関係に影響:
- 生活習慣の違い(朝型・夜型など)
- ストレスの感じ方の違い
- お金の使い方
- 時間の使い方
- 子育てや家事の分担
この季節の感情:
- 「こんな嫌な人だったのか」
- 「こんな人だと思わなかった」
- 夢から覚めたような感覚
- 相手の言動で傷つく
- 期待が裏切られる
- この人とずっと一緒に生きていけるのかという不安
例え:
夏の強い日差しの下で畑仕事をするような感覚
- 草取り
- 害虫駆除
- 様々な労働が待っている
重要なポイント:
- クリスチャンとして重要なのは自らの罪を認め、悔い改めることを学ぶこと
- 相手の嫌なところは、ハネムーン期に良いと思った部分の裏側である
例:細かいところまで気が付く → 過度に細かい要求 - 植物で言えば:
– 栄養成長から生殖成長への移行期
– 体を作る段階から次世代を残す段階への移行
カウンセリングでよく聞く言葉:
- もう好きじゃなくなった
- 離婚したい
- 愛していない
- 気持ちは戻らない
この段階での理解すべきこと:
- これは必要なステージ
- 誰と結婚しても同じことが起こる
- 相手を変えても同じことが起こる(時間の問題)
アドバイス:
- 自分の罪深さを食い改める
- 愛することは仕えること
- この時期を乗り越えることが関係の成長につながる
ステージ3:充実の恵み – 実りと安定の時期
キーワード:実り、安定、パートナーシップ
特徴:
- お互いに傷つけ合ったことを赦し合う
- お互いの違いを認め合う
- それぞれの役割分担が自然にできるようになる
- 賜物に従って無理のない働きができる
この季節の感情:
- 安心感がある
- 感情的な高揚はないが、ほっとする
- お互いに分かり合えている実感
- この関係は神様がくださった関係という確信
パートナーシップの形成:
- 「このエリアは私は向いていないので、お願いします」
- 「パソコンは私は無理なので、あなたお願いします」
- 「縫い物はできないので、あなたお願いします」
- お互いの強みを活かした分担ができる
- 男性と女性の違いも理解できるようになる
例:
– 重いものを持てる・持てない
– 冷蔵庫の中の物が見える・見えない
重要なポイント:
- お互いを批判せず、認め合う
- 安心して一緒に暮らしていける
- 気持ちに左右されない
- 感情に左右されず相手を理解し受け入れる
この段階の特徴:
- 揺るがない関係
- 離婚という言葉がボキャブラリーからなくなる
- この人とずっと最後まで一緒に行くという確信
重要な気づき:
- 春の喜びと夏の労働があって初めて秋の収穫がある
- 夏の葛藤や労働をスキップして実だけを得ることはできない
- 悩みがあるということは夏の時期にいるということ
- 諦めなければ必ず実りの秋がやってくる
成長の方向性:
- お互いの違いを認め、強みを活かし合う
- より安定した関係を築いていく
- これまでの大変なことを乗り越えたからこそ、絆が深くなる
ステージ4:収穫の恵み – 内省と再生の時期
キーワード:内省、再生、刈り取り、準備
特徴:
- 刈り取った実は次の収穫のための種まきに蓄えられる
- 食べる分と次の種に分けられる
- 過去を振り返って収穫を喜ぶ
この季節の感情:
- 感謝
- 穏やかさ
- 一緒に生きていけることへの感謝
- 春の時よりも温かい安定した感情
- 次の時期への期待
重要なポイント:
- 春夏秋冬のサイクルが繰り返される
- 小さなレベルでこれを何回も繰り返していく
- おおよそ5年から10年でステージが移っていく
- どこかの季節で止まったり諦めたりすると、後に問題が顕在化する可能性がある
人生の終わりについて:
- 地上の人生には終わりがある
- 残るもの:
– お子さんへの影響
– パパとママの夫婦関係は子どもたちの財産になる
– 子どもたちが自身の夫婦関係を築く時のスタンダードとなる
5. まとめ
結婚生活について、重要なポイントをまとめてみましょう:
- 結婚生活は決して平坦な道ではありません。
- 4つのステージは季節のように繰り返されていきます。
- 今、真夏の暑さを感じている方もいるかもしれません。
- しかし、季節は必ず巡っていくのです。
- 誰と結婚してもこのステージは必ず訪れます。
- 「この結婚は呪われている」「神様は間違った」ということはありません。
- 長年仮面夫婦のように教会では仲良く見えても、実は涙がある場合もあります。
最も大切なこと:
- 私たち自身が神様との関わりで成長させられていく中で、夫婦の関わりも変えられていきます。
- 最終的に「愛する」という実を結ぶ人になることが最も大切です。
祈り
天のお父様、
初めに苗、次に穂、そして穂に実ができる、とイエス様は語られました。
私たちのうちに始められた恵みの働きが、そのように進められていくことを覚えます。
そして私たちの夫婦の関係の中でも、あなたは神の国を建て上げてくださり、互いに愛し合うものとして私たちを成長させてくださることを学びました。
どうか私たちが学んだことをこれからの夫婦の関わりに生かしていくことができるように、あなたの国が、あなたの御心が私たちの夫婦関係でも行われますように。
イエス様のお名前を通してお祈りします。
アーメン。
最後に
あなたの結婚生活は今、どの季節にありますか?
もし結婚生活で悩みを抱えておられる方は、ぜひカウンセリングをご検討ください。
一人で抱え込まず、共に歩んでいきましょう。
また、ご自身で学んで解決したいあなたのためには、オンライン完結の動画講座もご用意しています。
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【執筆者プロフィール(再掲)】
夫婦関係修復カウンセラー 日向陽一
25年の結婚生活と数多くのクリスチャン夫婦、一般夫婦のカウンセリング経験を持つ。
クリスチャンとしての視点と専門家としての知見を活かし、多くの夫婦の関係修復をサポートしている。
筆者プロフィール
-
27歳の時、婚約者との擦れ違いを解決できず結婚目前で婚約解消。
その後、この婚約解消の二の舞を踏まぬよう男女関係や夫婦関係修復の法則を聖書から学ぶように。
2010年、夫婦関係修復カウンセラーとして独立。延べ1,000人以上の夫婦をカウンセリングし離婚危機から救う。
現在は、妻に惚れこむ二児の父。
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