不倫から始まる夫婦関係の再構築

不倫から始まる夫婦関係の再構築

はじめに

こんにちは、夫婦関係修復カウンセラーの日向陽一です。
今回のテーマは、「不倫から始まる夫婦関係の再構築」です。
不倫が原因で突如として離婚宣言をされた方々に、夫婦関係を修復するための具体的なアプローチを提案します。

カウンセリングでは、不倫が原因で関係が壊れた夫婦を多く見てきました。
あなたが不倫をしてしまった夫であるか、不倫によって傷つけられた妻であるなら、この記事がお役に立つと思います。
今日は、以下の3点について詳しくお話しします。

  • 不倫した夫の心理
  • 裏切られた妻の心の傷
  • 夫婦の和解と再構築

不倫した夫の心理

不倫から始まる夫婦関係の再構築

まず、1点目の不倫した夫の心理についてです。
私のクライアントの中には、不倫をしてしまい、「もう別れたい」と言われた夫がいます。
彼らは夫婦関係をどう修復すればよいかアドバイスを求めて来られます。

男性たちが不倫をする動機はさまざまです。
多くの場合、一時的な誘惑や出来心によるものです。
セックスレスや夫婦関係の問題が背景にあることも多いです。
男性としての自信を取り戻すため、または寂しさを紛らわすために、他の女性と関係を持つことがあります。
しかし、不倫の後、罪悪感や罪の意識が芽生え、隠すようになります。

不倫が発覚すると、夫は初めて自分が奥さんに与えた深刻なダメージに気づきます。
多くの場合、夫は「変わるから」「もうしないから」と約束しますが、これらの言葉には説得力が欠けていることが多いのです。
奥さんたちは夫の言葉を単なる口先だけの謝罪と感じます。
奥さんたちは夫に対して、「本当にわかっているの?」「私の苦しみが理解できないでしょ?」と疑念を抱きます。
夫は謝罪しても許しを得られず、途方に暮れることになります。このような状況で、多くの夫がカウンセリングを求めることになります。

裏切られた妻の心の傷

不倫から始まる夫婦関係の再構築

2点目、裏切られた妻の心の傷については、この問題の重要な側面です。
妻は、夫の行動に気づくかもしれませんし、時間が経つにつれて夫の態度の変化を感じ取るかもしれません。
不倫が発覚した時の妻のショックは計り知れません。

夫が焦り、ごまかそうとするか、軽いこととしてすませようとする態度は、関係をさらに悪化させる可能性があります。

次に、裏切られた妻の心の傷について考えてみましょう。
不倫は裏切り行為であり、これは表面上、仲の良い夫が妻を裏切ることを意味します。
妻にとって、これはまるで仲の良い友人に崖から突き落とされるような衝撃です。
このショックは、夫が理解しできないほどに深刻です。
妻は、夫の突然の裏切りによって大怪我を負い、そのダメージはまるで重大な身体的損傷を受けたかのような影響を及ぼします。

妻は、眠れなくなり、フラッシュバックで涙もろくなったりします。
吐き気を催してしまう人もいるくらいです。
夫の不倫の現場の近くに行くたびに動悸がするということもあります。

このような結果になっても、夫は、自分の行動が奥さんに与えた深刻な苦痛を理解することがしばしば難しいと感じます。
特に、裏切り行為がもたらしたトラウマに苛まれる妻の感情を理解するのは難しいのです。これはまるで、崖から突き落とされた人のショックや痛みを、落とした側の人が理解できないようなものです。
このような夫が与えた妻の心の傷、痛みの理解に、夫婦間でギャップがある状態になります。
妻は「分かってくれない」「私がどれほど苦しんでいるか理解していない」と感じることが多いです。
これが不倫の発覚した時の夫婦の状態です。
突然の出来事により、一緒に暮らすことが困難になり、離婚宣言に至るケースがあります。

夫婦の和解と再構築

不倫から始まる夫婦関係の再構築

最後に、3点目の夫婦の和解と再構築についてです。
では、和解と再構築にはどのようにして到達するのでしょうか。
大事なのは、夫が自分の行動が奥さんに与えたダメージの大きさを理解しようと努めることです。
この妻が経験している痛み、苦しみにたいする夫の理解が和解と再構築の大前提となります。しかし、既にお伝えしたように、不倫をしてしまった夫や離婚の危機にある男性クライエントさんにこのことを説明しても、なかなか理解されないことが多いのが現実です。

このような状況において、聖書のルカに記されている例え話が参考になります。
ルカの15章、11節からの話は、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかを理解するのに役立ちます。

イエスはまた、こう話された。
「ある人に二人の息子がいた。
弟のほうが父に、『お父さん、財産のうち私がいただく分を下さい』と言った。
それで、父は財産を二人に分けてやった。
それから何日もしないうちに、弟息子は、すべてのものをまとめて遠い国に旅立った。
そして、そこで放蕩して、財産を湯水のように使ってしまった。
何もかも使い果たした後、その地方全体に激しい飢饉が起こり、彼は食べることにも困り始めた。
それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑に送って、豚の世話をさせた。
彼は、豚が食べているいなご豆で腹を満たしたいほどだったが、だれも彼に与えてはくれなかった。
しかし、彼は我に返って言った。
『父のところには、パンのあり余っている雇い人が、なんと大勢いることか。
それなのに、私はここで飢え死にしようとしている。
立って、父のところに行こう。
そしてこう言おう。
「お父さん。
私は天に対して罪を犯し、あなたの前に罪ある者です。
もう、息子と呼ばれる資格はありません。
雇い人の一人にしてください。
」』
こうして彼は立ち上がって、自分の父のもとへ向かった。
ところが、まだ家までは遠かったのに、父親は彼を見つけて、かわいそうに思い、駆け寄って彼の首を抱き、口づけした。
息子は父に言った。
『お父さん。
私は天に対して罪を犯し、あなたの前に罪ある者です。
もう、息子と呼ばれる資格はありません。

ところが父親は、しもべたちに言った。
『急いで一番良い衣を持って来て、この子に着せなさい。
手に指輪をはめ、足に履き物をはかせなさい。
そして肥えた子牛を引いて来て屠りなさい。
食べて祝おう。
この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから。
』こうして彼らは祝宴を始めた。

この聖書の例え話は、放蕩息子の物語として広く知られています。
この物語は、夫婦関係の修復において重要な教訓を提供します。
物語では、若い息子が父親の財産を浪費し、結果として極端な困窮に陥ります。

この行動は、不倫をしてしまった夫が奥さんの愛情を無駄遣いし、その結果、関係が破綻する恐れがある状況に似ています。

この物語で描かれた息子の「我に返る」瞬間と、不倫をした夫が自らの行動の重大さに気づく瞬間の比較は、人間の悔い改めと自己認識のプロセスを表しています。
この比較は、個人が犯した罪に対する気づきと、それに伴う人格の変化を示しています。

息子が父親に謝罪する場面は、夫婦関係の修復においても重要な場面です。
夫が自分の過ちを深く悔い改め、その行動によって生じた影響を全面的に受け入れることは、関係の修復への第一歩です。
夫が自己の行動とその背後にある自らの自己中心の罪を真剣に受け止め、その過ちから学び、改善に努めることが、関係の再構築に不可欠なのです。

また、この物語は、過ちを犯した後に示される謝罪の誠実さと、その人の変化へのコミットメントが、関係の修復を可能にするというメッセージを持っています。
夫が悔い改めて努力を始め、カウンセリングや他の支援手段を通じて別人なるために専念することは、関係の再構築において重要な役割を果たします。

この話から学べるのは、人間関係の修復、特に夫婦関係において、単なる言葉の謝罪だけでなく、罪の悔い改めという、行動による変化と成長が不可欠であるということです。
誤りを犯した人が自己の行動を深く省み、その結果として成長し、改善に向けて努力することで、関係の修復は可能になります。

 

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筆者プロフィール

日向 陽一
27歳の時、婚約者との擦れ違いを解決できず結婚目前で婚約解消。
その後、この婚約解消の二の舞を踏まぬよう男女関係や夫婦関係修復の法則を聖書から学ぶように。
2010年、夫婦関係修復カウンセラーとして独立。延べ1,000人以上の夫婦をカウンセリングし離婚危機から救う。
現在は、妻に惚れこむ二児の父。